金仁淑さんが、第48回「木村伊兵衛写真賞」を受賞【大阪ビジュアルアーツ・アカデミー】

2024/04/11
ニュース

学校法人 21世紀アカデメイアのエンターテインメント系総合専門学校「大阪ビジュアルアーツ・アカデミー(※)」の2001年度卒業生である金仁淑(キムインスクさんが、日本三大写真賞の1つである「木村伊兵衛写真賞」を受賞しました。

受賞作品は、10チャンネル・ヴィデオ・インスタレーションEye to Eye》、写真と4チャンネルのビデオで構成されるインスタレーションBetween Breads and Noodles》です。

※2024年4月 専門学校 ビジュアルアーツ専門学校 大阪より校名変更

【金仁淑さん プロフィール】

プレスリリース20240411

撮影:高野楓菜/朝日新聞出版写真映像部

金仁淑さんは1978年大阪生まれ。大阪樟蔭女子大学学芸学部被服学科および、ビジュアルアーツ専門学校(現:大阪ビジュアルアーツ・アカデミー) 写真学科を卒業後、2003年に韓国・ソウルの漢城大学芸術大学院西洋画科写真映像コースに留学し、2005年同大学院修了。
韓国のアートシーンでの15年間の活動を経て、現在はソウルと東京を拠点に制作活動を展開しています。

「多様であることは普遍である」という考えを根幹に置き、「個」の日常や記憶、歴史、伝統、コミュニティ、家族などをテーマにコミュニケーションを基盤としたプロジェクトを行い、写真、映像を主なメディアとして使用したインスタレーションを発表しています。

今回の受賞作である《Between Breads and Noodles》は、政府事業としてドイツへ派遣された在独韓国人や彼らの家族を写真に収め、移民2世以降のアイデンティティーに着目し、国籍の狭間に生きる人々を追った作品です。「移民」という言葉では一括りにできない多様な背景と価値観を持った人々を捉えています。

そしてもう一つの受賞作である《Eye to Eye》は、人が持つ属性や背景にとらわれず、見つめ合うことから始める出逢いについて表現したヴィデオ・インスタレーションです。
金仁淑さんが、滋賀県にあるブラジル人学校に通う0歳~18歳の約80名の子どもたち、そして学校を支える先生や支援者と共に過ごしながら、ひとりひとりと向き合い、コミュニケーションを重ねて制作したヴィデオ・ポートレートを中心に構成されています。

主な個展に「sweet hours」(光州市立美術館、韓国、2008)、「Retelling Tales of the Cherry Blossoms」(MIO PHOTO AWARD PRIME、大阪、2014)、「House to Home」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、2021)、グループ展に「大邱フォトビエンナーレ」(韓国、2014)、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」(森美術館、2014)、「Family Report」(京畿道美術館、韓国、2017)、「愛について アジアン・コンテンポラリー」(東京都写真美術館、2018)など。
恵比寿映像祭2023では、新作の10チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション《Eye to Eye》を発表し、荒木悠氏とともに特別賞を受賞しました。

プレスリリース①20240411

作品名《Eye to Eye, 恵比寿映像祭2023 Ver.》/10チャンネル・ヴィデオインスタレーション、2023年/恵比寿映像祭2023「テクノロジー?」コミッション・プロジェクト展示より(提供:東京都写真美術館 撮影:井上佐由紀)

プレスリリース②20240411

作品名《Between Breads and Noodles, Grandfather and I》/インクジェットプリント 98.8x140㎝、2014年/写真映像インスタレーション《Between Breads and Noodles 》より(提供:金仁淑)

プレスリリース④20240411

作品名《Between Breads and Noodles》Noodle Tower for Performance/アジア6か国から輸入された40種類の味の2000個のインスタントヌードル、2014年/Atelier am Eck, デュッセルドルフ, ドイツ(提供:金仁淑)

金仁淑さんの今後の展覧会

1.企画展「翻訳できない わたしの言葉」

プレスリリース⑤20240411

会期
2024年4月18日(木)~7月7日(日)

会場
東京都現代美術館 企画展示室1F

企画展「翻訳できない わたしの言葉」は、「言葉」をテーマに、5人の現代アーティストを紹介する展覧会です。多様な言語のあり方、話すという行為やその権利に着目しつつ、会話の様子を捉えた映像作品などで構成されます。
第48回「木村伊兵衛写真賞」を受賞したヴィデオ・インスタレーション《Eye to Eye》が東京都現代美術館Ver. で展示されます。

2.第48回村伊兵衛写真賞受賞作品展《Eye to Eye,Side:C》

第48回「木村伊兵衛写真賞」を受賞した《Between Breads and Noodles》新作《Eye to Eye,Side:C》《扉の向こう》シリーズの作品で構成する本展は、人の在り方や出逢いについて考察する空間となります。企画展「翻訳できない わたしの言葉」展に展示される10チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション《Eye to Eye》と共に、受賞作品の展示にとどまらない、2つの会場を行き交う意欲的な試みの企画として開催されます。

会期
2024年4月26日(金)〜5月9日(木)

会場
ソニーイメージングギャラリー銀座

木村伊兵衛写真賞について

木村伊兵衛写真賞は、故・木村伊兵衛氏の業績を記念して1975年に創設されました。
日本三大写真賞の1つであり、写真界の芥川賞とも呼ばれています。
各年に優れた作品を発表した新人写真家を対象に表彰し、写真関係者からアンケートによって推薦された候補者の中から、2回の選考会によって決定されます。

本リリースの問い合わせ先

学校法人 21世紀アカデメイア
大阪ビジュアルアーツ・アカデミー キャリアセンター
vao-job@vao.jp

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