「一生懸命本気で取り組んだからこそ悔しかった」。第2回富士五湖サミット開催。全国から選抜された36名が、社会変革のための「ソーシャル・プラン」を発表。

2024/05/24

3月26日~4月25日の約1か月間、第2回富士五湖サミットが開催されました。

全国4エリア、18のアカデミーで学ぶ1万名から選ばれた学生たちが、専門分野の垣根を超えチームを組み、日本の社会を切り拓く「ソーシャル・プラン」をコンテスト形式で競いました。

エリアも専門分野も違う初対面の学生たちとチームを組み、社会変革を目指すソーシャル・プランを創り上げていった1か月間を通して、AIに淘汰されず、実社会で活躍するために必要な「5つのプロフェッショナル力」や「5つの人間関係力」を実践体験から学んでいきました。

「いつか一緒に仕事したいね」と言い合える仲間と出会えたり、「これからの人生で絶対に役立てたい」と思えるフィードバックに出会えることができたと、学生たちは語っています。


「実社会」で必要な力を知る、実践する

実社会では、自分の専門分野のスキルを活かすだけでなく、他の専門分野のエキスパートと円滑に協働できる力(クロスオーバー力)が求められます。

異なる専門分野を学ぶ学生たちとプロジェクトを進めた富士五湖サミットを通して、就職や起業後に必要なクロスオーバー力を、学生たちは身につけていきました。

はじめは戸惑いや、専門分野の違う人々のアイデアを取りまとめる難しさを感じていた学生たち。
この経験を通して、「他人の意見を素直に受け入れる大切さ」や、「自分の意見も主張ながらも、チーム全体が納得出来る考えを導き出すためには何が必要か」を学ぶことができました。

いざ参加してみれば全く知らない分野のプランについて考えなくてはいけなかったり、得意不得意もバラバラなメンバーとの話し合いの難しさ、迫る中間発表の期限に終わらないプレゼン資料作成といった、これまでまがりなりにも培ってきたはずのものが殆ど役に立たない状況が盛りだくさんで、私の可笑しな自信はきたる4月21日を前にしてそれはもうボキボキになりました。

互いの持っている専門性や能力を活かすことも大切ですが、それ以上にビジネスライクであったとしても、チームメンバー同士で信頼関係を結び、協力することが大切だと実感しました。また、課題について最初にチーム内で考えを定めてから、アイデアを出すことで、しっかり進めることができると学びました。


仲間に出会う、共に成長する

ソーシャル・プラン発表会では、長崎幸太郎 山梨県知事が審査員を務める中、「富士五湖地域を新たな自然首都圏に進化させていくために『斬新なソーシャル・プラン』を考えよう」をテーマに、学生たちの独創的なアイデアが発表されました。
優勝チームのプランは、山梨県と富士五湖自然首都圏フォーラムの全面的なバックアップのもと、富士五湖地域で実現することが決まっています。

水素で動く透明なポップアップレストランや、環境保護のための地域通貨など、斬新なソーシャル・プランが発表される中、「自然×文学」をテーマに、SNSの普及による「無機質人間製造社会」という社会問題を解決するソーシャル・プランを発表したAチームが、優勝である山梨県知事賞を受賞しました。

惜しくも受賞を逃したチームの学生からは、「今まで生きていた20年間で一番悔しい」、「これだけ悔しく、別れの時に涙を流した経験はこの富士五湖サミットが初めて」という声も。
富士五湖サミットに全力で取り組んだ経験、そしてこれから官学連携で実現していく経験が、今後の就職活動やキャリア、人生に役立つことを願っています。


リフレクションの大切さを学ぶ

リフレクションとは、すべての個人活動とチーム活動において、その学習効果を圧倒的に高める「振り返りと反省の技法」です。

富士五湖サミットでは、1.5日間かけてリフレクション・ラボを行いました。
チーム活動や個人の心の動きを追体験的に振り返り、反省するリフレクションを通して、学生たちは「何が問題であったのか」、「何を改めれば良いのか」を深く考え、成長につなげることができました。

コンテスト後のリフレクションでは気づきがたくさんありました。振り返りで特に「課題アクセプタンス力」「自我マネジメント力」の二つに気づけたことは本当によかったです。課題が難しくリーダーというプレッシャーに負けそうになりながらも最後までやり遂げたのは「課題アクセプタンス力」があったからだと思います。そしてプレッシャーに負けそうになりいらいらしたりしても平静を保てたのは「自我マネジメント力」のおかげでした。

4日目のリフレクションでは、自分がこう思っていたけれど相手は違ったことが多くあり、初めから分かっていたらと後悔を感じたこともありました。田坂学長のお話を聞き、「自分の中の小さなエゴ」を探し、改めて自分を知る場にもなりました。チーム活動をする上でリフレクションはとても大切なものだと思いました。

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